活動レポート
2019.01.11
「身体・脳・スポーツと超臨場感技術」シンポジウム開催(2018/12/10)開催報告
「身体・脳スポーツと超臨場感技術」シンポジウム報告
近年、運動(スポーツ)の上達にIT技術を活用する取り組みが盛んに行われているが、本シンポジウムでは、運動(スポーツ)の上達と脳や身体との関連を脳科学、心理学、認知科学から得られた最新の知見を紹介することを目的で、企画推進委員会が主催して「身体・脳・スポーツと超臨場感技術」と題してシンポジウムを開催した。
【日時】2018年12月10日(月)日(月)13:00~17:0017:00
【場所】テレコム先端技術研究支援センター(SCAT) 2F 会議室
【参加者】25名程度
【プログラム】
13:00-13:05 主催者あいさつ
13:05-13:55 (講演1)「アスリートの脳機能の解明と調律」
柏野牧夫氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所スポーツ脳科学プロジェクト統括)
13:55-14:45 (講演2)「パラリンピアンにみる人間の脳の再編能力」
中澤公孝氏(東京大学 大学院総合文化研究科教授)
14:45-15:00 (休憩)
15:00-15:50 (講演3)「身体と脳の社会性」
渡邊克巳氏(早稲田大学 基幹理工学部教授)
15:50-17:00 (パネルディスカッション)
パネリスト:上記講演者3名
モデレータ:安藤広志氏(情報通信研究機構 脳機能解析研究室 副室長)
【所感】
柏野氏から、スポーツ訓練のためにHMDを使っているが、HMDでは解像度や立体視などが現実と違うことから、空間的知覚に対してはまだ使えない。しかし、タイミング知覚には使えるとの評価がされていることの報告があり、何でもHMDを使えば良いと言う訳ではなく、使える機能を明らかにして活用するのは重要だと感じた。
中澤氏から、脳内で欠損している機能がある障害者は、この機能を補完するように脳が変化し健常者以上の能力を発揮することがあると報告された。このことは、健常者をさらに超人化する可能性もあり得るとのことであり、今後スポーツ上達に脳研究は重要だと感じた。
渡邊氏から、感情は自身の内部から湧いてくるだけでなく、外部の影響を受けている(感情・情動の感染)との報告があり、スポーツ選手のパフォーマンスは、コーチなどそばにいる人とその感情とに相関があるかも知れない(外部の影響を受けて行動が変わる)との報告があったが、これらを定量化で評価できれば、面白い研究になると思った。しかし、周囲の環境も重要だが、まず第一に自身の能力向上が重要だと感じた。(URCF事務局)
以上